産経社説 【主張】「戦略局」始動 求められる「政策調整」力 - MSN産経ニュース

 社説として良社説。

 必要なことは、鳩山由紀夫首相が菅直人副総理・国家戦略担当相にビジョンの策定を急ぐよう指示し、閣内での総合調整機能を発揮させることである。
 18日の閣議では、国家戦略局の前身となる「戦略室」が、財政支出の無駄を排除する行政刷新会議とともに設置された。内閣府古川元久副大臣が戦略室長を務め、今後、国会議員や民間人などからメンバーを加える。臨時国会で関連法案が成立すれば局に格上げされる。
 「脱官僚依存」の方向性は正しい。試行錯誤を重ねることになろうが、円滑な政策決定と制度の定着は欠かせない。
 当面は補正予算の見直しにあたる。菅担当相と藤井裕久財務相の間では、戦略局が予算の骨格を考え、具体的な編成は財務省が行う役割分担が考えられている。迅速な作業とメリハリの利いた予算内容を実現することが重要だ。

 高校授業料の実質無償化や生活保護母子加算復活など、新閣僚たちは矢継ぎ早に公約の早期実現を約束している。しかし、年間31万円(22年度は半額)の子ども手当について、社民党から「高額所得者にも一律支給するのか」と疑問が出ている。また、高速道路を無料化し、ガソリン税などの暫定税率を撤廃する一方で、温暖化ガス25%削減(90年比)を打ち出していることへの疑問は大きい。
 こうした政策の整合性を戦略に基づいて調整するのが本来の役割だ。現状のままでは、公約を実現する財源を捻出(ねんしゅつ)する作業に追われるだけではないか。

 それでも速くやれば上等の部類。