朝日社説 つくる会教科書―横浜市の採択への懸念

 採択手順に問題でもあるなら懸念はたしかにそうだが。

 市教委の今田忠彦委員長は、4年前の採択時、市教委でただ一人、扶桑社版を採用すべきだと主張した委員だった。今回の採択には、市教委トップとなった今田氏の意向が強く反映されたのだろう。
 教科書の採択権限は教育委員会にあるが、実際に使うのは教師と生徒だ。現場の声を反映した審議会の答申が、どこかで自由社か否かの二者択一のようになってしまった。
 今田氏は自由社版を「愛国心」条項などが盛り込まれた改正教育基本法の趣旨に合っている、と評価する。しかしこの法律は同時に、他国を尊重する態度を養うことも求めている。こちらは満たしているだろうか。

 そこがわからない。
 そうではないなら、朝日新聞は地域の民主主義の否定にまわっていることになる。採択手順が正しく違法性がないなら、地域の教育の問題は地域に任せるべきだ。