毎日社説 社説:金大中元大統領 激動の韓国を体現した - 毎日jp(毎日新聞)
良社説。
36年前、東京のホテルからソウルに拉致された事件によって金氏は日本で最も名高い韓国人となった。この事件が韓国情報機関の組織的犯行であり、日本への主権侵害にあたることは明白だったが、政治決着によってうやむやにされた。日韓双方の政府が不誠実であった。
しかし金氏は、自らの大統領在任中はこの問題に手を付けなかった。07年の真相調査委員会報告書の発表を受けてようやく韓国政府は日本に対する主権侵害に「遺憾の意」を表明し、外交的には決着した。だが日本の捜査当局による容疑者調べは実現していない。事件の大団円を迎えぬまま金氏がこの世を去った事実は、歴史に刻まれるべきである。
毎日新聞は要点を書いている。
しかし、この融和路線は北朝鮮の高濃縮ウラン開発疑惑の浮上を機に矛盾が露呈する。次の盧武鉉(ノムヒョン)政権は対北支援を大幅に増やしたが、北朝鮮のミサイル発射や核実験の強行で韓国世論が冷え込み、「太陽政策」は正しくないという声も高まった。金氏はこれを憂慮し、入院前は北朝鮮に妥協しない李明博(イミョンバク)政権の姿勢を強く批判していた。
「歴史的な南北首脳会談」を主な理由として金氏が受賞したノーベル平和賞は色あせてしまった。韓国で逮捕され日本人拉致を自供した人物を北朝鮮に送還したことも、日本における金氏の声望を少なからず傷つけたのである。
この点もきっちり書いている。