日経社説 悲劇を繰り返さぬ決意を新たにしよう :

 64年目の「終戦の日」を迎えた。勝算がないまま戦線を拡大し、国土が灰じんに帰すまで戦争をやめることができなかった。

 秋田県疎開していた山本夏彦玉音放送を聴いたその日、別に変わったことはなかったと言っていた。ただ、その夜、突然拡声器で東京音頭が流れたそうだ。「僕のだいきらいな東京音頭、やーっとな、それよいよい」と。
 内地は空襲の惨禍はあったが、「国土が灰じんに帰す」ことはなかった。沖縄で暮らしながら、戦地になるということはこういうことか、なるほど内地の人とは歴史経験が分かれるのだと思った。