日経社説 民主党の外交・安保政策は曖昧すぎる : NIKKEI NET(日経ネット)秋

 そう、これは日経の指摘どおり。

 これにならえば、民主党マニフェスト政権公約)と政策集インデックス2009で示した外交・安全保障政策は「戦術的曖昧さ」に満ち満ちている。衆院選という当面の目標を突破するための戦術だろう。
 曖昧さを捨てて従来の政策を書けば、政権担当能力を疑われ、新たな支持を獲得できない。政権を視野に新たな政策を打ち出せば、従来の支持者を失う。選挙に不利になる。だから曖昧にしておく。そうすれば党内対立の表面化も避けられる。
 このためか、政権公約のページを何度も何度も繰ってたどりつく「雇用・経済」の見開きページの右側に小さく外交政策がある。「自立した外交で、世界に貢献」など、内容はすべて抽象論である。

 まったくね、そうだった。

 曖昧政策の典型は、政策集16ページの「自衛権の行使は専守防衛に限定」の項目だ。関係個所を引用する。
 「自衛権は、これまでの個別的・集団的といった概念上の議論に拘泥せず、専守防衛の原則に基づき、わが国の平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合に限って、憲法第9条にのっとって行使することとし、それ以外では武力を行使しません」
 「拘泥せず」までは、集団的自衛権の行使に柔軟かと思わせる。が、それ以下を読めば、個別的自衛権しか認めないのは明白となる。「個別的・集団的といった概念上の議論に拘泥せず」をかぶせたのは、意図的な曖昧戦術と読める。
 インド洋での海上自衛隊の給油活動への反対論を書かなかった点が民主党の現実化とされた。小沢一郎代表(当時)は、給油は武力行使と一体化しているから憲法違反、と述べていた。右の引用を読めば、小沢見解は生きているようにみえる。

 逆にいうと、小沢ビジョンが生きているということが、国家の独立意思でもあるのだけど、この問題は、右派にも左派にも通じない。この話は昨日書いた。