毎日社説 社説:’09衆院選 社会保障 安心の制度設計競え - 毎日jp(毎日新聞)

 小泉純一郎政権下で進められた「小さな政府」路線による、給付と負担の見直しで社会保障サービスが切り下げられ、国民は痛みに苦しんだ。年金未納や医療現場の荒廃、介護労働者の低賃金などで、セーフティーネットはずたずたになった。社会保障をめぐる一連の小泉改革は失政だったと言わざるを得ない。

 小さな政府は地方行政改革が次にあるものだった。それが阻止されたこと、世界経済が失墜したことで、「小泉改革」が失政だったかのように演出される。
 年金未納は小泉時代の問題ではないし、医療現場の荒廃はより根深い構造的な変化の波及だったし(かつての大学病院による支配がよかったわけもなかろう)、介護労働者の低賃金で民活を捨てるなら大きな政府を意味することになる。

今回の総選挙は、小泉政権以降の社会保障切り下げ政策の転換と、年金、医療、介護保険少子化対策の立て直しを争点とすべきである。

 国家を膨らませることで実は社会は不平等になる。年金問題も医療問題も、一朝一夕で解決できるものではない。逆にいえば、国家の機能のと地域の機能を切り分けて、地方に自治を持たせるしかない。また介護の問題は重税国家を作ることになる(移民を入れることないだろうし)。そして少子化対策というのは、不可能。