曇り

 小雨。昨晩はくったりして寝付くものかと思ったが、寝付かれず。いつもの坐禅。眠気がやってきてそれでというところでまた寝付かれず。心の中を覗いて、ああと思うものがあり、宇多田ヒカルUltra Blueを聞く。聞き飽きた曲だが、少し心にちくちくとくるものがある。なんだろ俺とか思う。救いなんてものはないなと思う。涙も出ない。暗闇に沈みながらそれでもいつか寝ていた。夢は覚えていない。つばさを見た。ああ、思いを残すような、思いがあって交錯するような失恋というのは絵になるものだなと思う。しかし、普通の失恋というのはただ残酷なものだ。人が人を捨てるというその本質が露出し、そしてその本質に耐えることできない空しい絶叫感だけが残る。物語が救済を志向するときそれは嘘になる。どんなに美しい嘘でも、もし、人が生きるなら、そうした嘘を生きることはできないのに。