朝日社説 asahi.com(朝日新聞社):社説 2009年6月14日(日)納税者番号―導入へ不安解消の議論を

 朝日が国民総背番号制に舵を切った。

 納税者番号制には管理社会化の一面はある。しかし、社会保障を充実させるには、乱用の防止を前提にして導入せざるを得ないのではないか。

 住基ネットの騒ぎを思うと隔世の感がある。
 しかし。

 そのためには、プライバシーの保護という避けられないハードルがある。これを乗り越えない限り、人々の抵抗感は取り除けない。
 与野党は、納税者番号の目的外利用を厳重に禁止したり、年金記録で発覚した「のぞき見」やデータ流出・悪用を防ぐための監視組織を設けたりする仕組みを早急に考える必要がある。
 具体化のためには、国民の不安を取り除くための環境整備をていねいに進めることが欠かせない。

 ハードルはプライバシー保護ではなく、所得情報を捕捉されたくない人々の問題で、これにはその勢力が弱体化しかどうしようもない。