昨日の大手紙社説

 足利事件が話題だった。要点は3つあるかと思った。1つは、DNA鑑定の問題、つまり「科学」とされているものと社会の関わりだった。科学は、その社会で可能な限り妥当な真であっても、絶対的な真ではない。いわば社会が評価して使わなければならないものだ。社説を読みながら、そうした科学的な真の相対性を社会との関係で考えるなら、和歌山ヒ素次元におけるヒ素の同定性にも疑問は残る。もちろん、それがあの判決の決定的要因ではないにせよ。2つめは、自白ということだった。この点、日本の警察はひどいものだという思いを新たにした。3つめは、今回の釈放前にその必要性を訴える大手紙が事実上なかったことだ。