日経社説 黒字半減が問う日本の針路 : NIKKEI NET(日経ネット)

 経常黒字の減少幅は比較可能な1985年度以後で最も大きい。通関ベースの貿易収支は28年ぶりに赤字に転じた。日本の代名詞だった「黒字大国」の座が揺らいでいる。
 世界景気が好転すれば、輸出も持ち直し、海外拠点からの収入や金融資産の金利・配当収入もまた増えるだろう。だが、景気循環や金融市場の変調といった一時的な要因に加えて、経済の構造的な変化も進みつつあり、かつてのような巨額の黒字に戻る可能性は低いとみるべきだ。

 これは過去の赤字驀進中ですら予想されてはいたことだった。実際そういう光景を見るとしみじみした味わいはある。

 さらに日本では、少子高齢化が進み、国民が高度成長期から積み上げてきた貯蓄を取り崩す局面にさしかかっている。最近は「団塊の世代」が退職年齢を迎え、貯蓄率は低下傾向にある。貯蓄が頭打ちになると、経常黒字を抑える作用が働く。
 一気に日本が経常赤字国に転じるとみるのは早計とはいえ、黒字急減を日本経済の体質改善を促すサインと真剣にとらえるべきだ。

 これは長期的な予想と、今は世界のために崩すべきだというのと二面あってバランスが難しい。麻生政権はがちゃがちゃ言われているがそうスジを外してもいないように思える。
 問題は、「日本経済の体質改善」とやらだ。

 まず「外で稼ぐモデル」を再構築する必要がある。米国市場に過度に依存した輸出構造を見直し、成長力の高いアジアなどに照準を合わせたビジネスの展開をさらに進めるべきだ。アジア域内の貿易や投資を自由化する取り組みも求められる。

 ご冗談でしょと言いたくなるが、しかし、冗談でもないだろう。
 このあたりが微妙だ。日本の停滞を長期の生産性の低下と見ることは可能ではある。また、逆にいわゆるリフレ派的な需要減少を金融政策的に見ることもできる。このあたりはいろいろ議論があるところだ。
 ただ、かつての「外で稼ぐモデル」が需要を支えていたなら、そこを金融政策的に補うことは無理だし、と、考えていくと、自分はどっちかというと構造改革の人になる。
 まあ、ちょっと難しい。自分なんぞが思案しても意味はないようには思う。
 このところGoogle革命やWeb2.0へのネット的な逆風は目に付くが、私は基本の路線は変化していないと思っている。古くさいどんびき系のキーワードだが知価革命はありうるだろうし、Web2.0だろうなと思っている。

 国内では福祉分野など成長の余地の大きい産業を伸ばす一方、海外からの投資をもっと日本に呼び込む必要がある。日本国債を安定的に海外投資家に買ってもらうためにも、日本の金融市場の国際競争力を高める大胆な規制緩和が欠かせない。

 ここも微妙な問題が多い。
 中長期的なビジョンをどう見ていくか。そういう大風呂敷でいうなら、日本国とどう存立していくのかというビジョンが求められるのだが、どうもしっくりしたものが見当たらない。基本的に未来を見るときは過去を見るとよいのだとは思う。