日経春秋 春秋(5/14)

 面白すぎるきらいはあるがこのネタは面白い。

 シニア世代も恋愛願望というものはなかなか捨てがたいようだ。のんびり名所旧跡を巡ったり陶芸や蕎麦(そば)打ちを楽しんだり。そんな老後もいいが、ちょっと冒険をしてみたくなるのは人の情けだろう。「老いらくの恋」なる言葉もある。
▼あるコンサルティング会社の調査では、恋愛感情を抱く相手として「妻以外」を挙げた60代男性は14%いる。折あらば、と夢想している人はもっと多いに違いない。ならば当年68歳の参院議員、鴻池祥肇氏が妻以外の女性と2泊3日の熱海旅行に出かけた、などという週刊誌報道も驚くほどの話ではない。

 うまいな、文章が。
 ひんやり見ると14%は低い。すでに幻想が織り込まれているから、いわゆる夢想は大したことはない。が、それでも多いともいえる。恋愛幻想は団塊世代の特徴なんだろうが、そこは執筆子が気がついているかはわからない。

どうせならシニア世代の恋愛問題について一席弁じてほしいものだが、かねて道徳教育の大切さなどを説いてきたとあって決まりが悪いのだろう。ちなみに氏が先年出した本のタイトルは「お天道(てんとう)さんは見てござる」だ。

 鴻池をネタにであるが、まあ話としてはうまい展開だ。が、マジですると奇っ怪至極になる。