ちょっと思い出

 私がパソコン通信を始めたのは84年だったか。JADAの会員だった。アスキーはすぐに逼迫した。仲間を見つけてBBSを立ち上げた。Niftyは会員になっていたが使うようになったのはACSが潰れてからだったか。
 ネットの世界なければ会えなかった出会いというのはけっこうあり、つまり、それが20代後半から30代前半をなんとなく覆っていた。ピークは4年くらいだろうか。
 その頃は特に匿名とか実名とか意識されていなかったかと思う。匿名というよりはハンドル名なだけで、オフ会にいけば名刺交換とかしていた。「オフ会」という言葉もNiftyの文化だったと思う。それ以前はなんだったか。
 ニフのオフ会にいくと、へぇ、一般人もいる、女もいるとか驚いたことがある。
 当初は通信ソフトなんかも自作した。漢字コードが決まってなくて、特にPC-VANNEC漢字を使っていたので、コンバーターなんかも作った。アスキーの後半ころPC98で漢字の書き込みが出てきておおっと驚いたことがあったな。
 90年に入ったころからインターネットのゲートウェイができていた。一般人のアカウントはとれなかったかな。私は国際回線でdelphiに入って使った。後にniftyのtelenetのゲートウェイができて世の中便利になったなと思った。Gopherをメールで叩いてニュースとか取り寄せていた。
 ネットが匿名というふうに話題になったのは2ちゃん以降だろうか。私はUNIXのかな? ハイパーノーツ的なBBSになじんでいたし、巡回もしづらい2ちゃんって技術の退歩とか思っていた。使いもしないし、それほど関心もなかった。
 ネットの世界は当時は実世界とはきちんとではないが分離していた。そのまま私は生きてしまったので、ネットの世界とリアルはうまく接合していない。
 私についていえば、これまで人生の節目でころっと方向が変わることがあり、その節目の前後で同一人物とは思われない歩みを辿る。まあ、人間が変わるわけでもない。
 この数年は変わらないなと思いつつ、いや、変わらされている部分がある。自分が爺になったというのも、え?という感じだ。