ほぼ想定の範囲内なのだが

 ⇒違法献金:小沢代表の大久保秘書ら起訴 東京地検 - 毎日jp(毎日新聞)

 小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」を巡る違法献金事件で、東京地検特捜部は24日、小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規(47)と西松建設前社長、国沢幹雄(70)の両容疑者を政治資金規正法違反で起訴した。大久保被告は「西松からの献金だとは思わなかった」と起訴内容を否認し、国沢被告は認めている模様だ。

 「国沢被告は認めている模様だ」って記者さんが意味わかって書いているとは思えない臨場感がある。

 特捜部は、大久保被告について(1)政治家個人への企業献金が禁止された後の00年と01年、西松側に社名を出さない形で献金するよう依頼した(2)西松が一部を受注した胆沢ダム岩手県)関連工事を持ち出し、改めて献金への協力を迫った−−などから、違法献金を認識していた疑いが極めて強いと判断し、起訴に踏み切った。

 ガダルカナルの退路、ではあるのだろうけど、ここで、検察内部で乱闘が始まる可能性はゼロでもないあたりが、コワ〜イよっと。
 まあ、結局、時効のブロックは大きかったなというところか。退路戦としては、(2)の迫った部分が時効を超えるかなのだが、ちょっと無理め。
 今回の報道の山場は、今日までの小沢への聴取だったのだが、朝日、読売、産経、NHKはお見事にバックレしましたな。さすが。いや、朝日はちょいと後出し屁をしていた。
 23日でようやく朝日⇒asahi.com(朝日新聞社):小沢氏秘書を24日起訴 違法献金認識と判断 東京地検 - 西松建設事件

 また、特捜部は、陸山会の代表者である小沢代表を参考人として事情聴取することを検討していたが、24日までの聴取はしない方針。大久保秘書の容疑にかかわる捜査によって起訴の判断に必要な証拠収集ができたため、当面は必要ないと判断した模様だ。

 ぎりぎりまで、小沢聴取の線を捨てなかったのだろう。
 このあたりの、各紙のポジションが、ヲチとしては面白かった。産経はもうやぶれかぶれだらだらリーク芸でまあ面白いからええやん、読売としてはナベツネがぷん、で、NHKもかな、いろいろ。朝日も……だが、ようするにリークのスジへのコミットの具合なのだろう。案外、今頃、朝日内部で動揺があったら面白いというか。ほれみろ系のが先輩やOBからありそう。
 あとNHKNHKニュース 小沢代表秘書 虚偽記載で起訴#

 東京地検特捜部は、西松建設の政治献金をめぐる事件で、民主党の小沢代表の秘書が西松建設からの違法な企業献金だと知りながら収支報告書にうその記載をしたとして、政治資金規正法違反の罪で起訴しました。
 起訴されたのは、小沢代表の資金管理団体陸山会」の会計責任者で公設第1秘書、大久保隆規被告(47)と西松建設の前社長、國澤幹雄被告(70)です。東京地検特捜部の調べによりますと、大久保秘書は、実際には西松建設からの企業献金だと知りながら、OBの政治団体からの寄付だと収支報告書にうその記載をしたとして、政治資金規正法違反の罪に問われています。大久保秘書は、西松建設本社と直接連絡を取ったうえで、陸山会など献金先ごとの金額を割りふるなど、具体的に指示していたということです。会社関係者などによりますと、西松建設は、小沢代表の影響力が強い東北地方でダムの建設など大型の公共工事の受注を期待して献金を続けていました。大久保秘書は、西松建設など大手建設各社から公共工事の受注に影響力を持っていると受け止められていたということです。特捜部は、小沢代表側への献金は多額の税金が使われる公共工事の受注が目的で悪質なうえ、大久保秘書も十分認識していたとして、起訴しました。関係者によりますと、大久保秘書は「西松建設からの献金だとは認識していなかった」と不正を否定しているということです。

 文章の表面はわかりやすく書かれているけど、これって何の話かわかりますか。私には皆目わからない。「会社関係者などによりますと」のところで話が折れている。時系列がわざとぼかされているのだろう。が、これ、好意的に見れば、検察はこの無理スジで小沢をしょっぴきたかったのだろう。要点は、「特捜部は、小沢代表側への献金は多額の税金が使われる公共工事の受注が目的で悪質なうえ、大久保秘書も十分認識していたとして、起訴しました。」で、ようするに、ただの記載ミスじゃないんだ、検察暴走じゃないんだと言いたいわけでしょ。まあ、そのくらいは言ってもいいとは思うけど。
 起訴前の日経だが⇒小沢氏秘書、午後に起訴 西松献金事件、規正法違反で : NIKKEI NET(日経ネット)

 西松建設の巨額献金事件で、東京地検特捜部は民主党小沢一郎代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)を拘置期限の24日午後、政治資金規正法違反(虚偽記載など)罪で起訴する。西松側の供述などから、大久保秘書が違法な企業献金と認識し、受領していたと判断した。大久保秘書の逮捕容疑の立証が十分なため、小沢代表の参考人聴取は当面、見送る。
 捜査関係者によると、特捜部の調べに対し大久保秘書は逮捕容疑を否認している。

 意外と良記事で、結局、検察は、「西松側の供述などから、大久保秘書が違法な企業献金と認識し、受領していたと判断した」ということで、大久保被告を崩せなかった。そして、結局それが、「大久保秘書の逮捕容疑の立証が十分なため、小沢代表の参考人聴取は当面、見送る。 」ということになった。
 いや、ここって笑うところじゃなくて、背筋がぞっとするところですよ。
 ここで大久保被告のキンタマ縮み上がって、「自白」させられていたら、どんなお話になっていたころやら。
 検察的正義の善悪でいうなら、小沢も大久保も真っ黒、桎梏、Bible blackですよ。なんで悪を悪としてつぶさなければみたいなものでしょう。
 でも、こういうやりかたはいかんのですよ。
 小沢のほうが巨悪ではないかという言い分もわかりますが。
 まあ、まだ終わったわけでもないし、いやな予感はあるにはあるのだけど、ここまでの過程で思ったのは、検察というよりジャーナリズムの問題かな。腐っとるとか単純に言えればいいけど、そういうことでもない。彼らもメシ食わないとあかんし、まあ、高給取りだし。
 
追記
 ⇒時事ドットコム:「認識の違い」「確信犯」=小沢氏側と検察、法廷で全面対決へ

 その後も政権交代への意欲を強調し、「(政治資金)収支報告書の処理の認識の違いだ」と繰り返した。小沢氏の法律顧問やかつての秘書が弁護団に加わり、起訴まで一貫して否認した大久保秘書を支えており、小沢氏の意向に従って法廷闘争が展開されそうだ。
 検察側は「証拠がなければ逮捕しない。架空の政治団体を使った巧妙な手口で、時効の関係から立件した不正献金額はその一部」と強調した。大久保秘書から西松建設に送られたとされる陸山会名義の「請求書」や、同秘書と献金額などを直接交渉したとする同社関係者の証言を立証の軸に据える見通しだ。

 やはり、「時効の関係から」が一番大きなブロックのようだな。
 ただ、これは検察側はかなり無理スジというか、ネタはこの2つくらいかもしれない。

 請求書は別にどうというものでもないし、西松側の証言は今回のスジとは分離できるでしょう。
 つまり⇒複数の大手ゼネコン担当者、受注前後に小沢氏側を訪問 : NIKKEI NET(日経ネット)

東京地検特捜部は、公共工事に小沢氏側の意向が反映されると、ゼネコン側が受け止めていたとみている。

 ゼネコン側はね。でも、これは、対小沢というより、ゼネコン間の政治というか仁義というか談合ルールの問題で、それに小沢が旨い汁吸いで乗っていたのはそうだろうけど、話としてはつながらないよ。
 元記事に戻って。

 さらに違法献金の背景を解明するため、東北地方の談合組織メンバーだった複数のゼネコン関係者から「献金効果」を聴取。大久保秘書ら小沢氏の事務所関係者による談合組織への「口利き」の実態も公判で明らかにするとみられ、公判での検察側冒頭陳述の内容次第では、小沢氏や民主党に打撃となることも予想される。

 まあ、次の山は検察側冒頭陳述で、どこまでそれがロジカルかということになる。
 隠し球はなさそうだし、小沢聴取も無理スジだとすると、これは検察のマジな退路の問題になるようにも思うが、民主党もそこまで国政をほったらかして突っ込むか。
 いずれにせよ、選挙期間に絡んでくるわけで、暫時小沢を切り離し、検察に矛を納めるメッセージを出して、穏便に収拾したほうがよいと思うが。
 いやあれかな、初公判は選挙後になるから、もうどうでもいいやかな。とりあえず、小沢で突っ込んで、とにかくその時点でなんたらかんたら、と。