ウォルフレンは15年前にこう言った

 

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民は愚かに保て―日本/官僚、大新聞の本音: カレル・ヴァン ウォルフレン, Karel Van Wolferen, 篠原 勝
 「小沢一郎を醜聞で火だるまにしてはいけない」より

 私が一番気がかりなのは、舞台裏の調整役としてキープレーヤーである小沢が、この重要な役割を演じ続けられるどうかである。その理由は、彼は責任ある政治家として重要な政治的決定を下さなければならない立場にあることを隠そうとしないために、多くの強力なグループの怒りを買うことになるだろうからである。小沢は政治家として並々ならぬ器量才覚を有している。そのゆえに反対しそうな者に対して強い姿勢で臨むため、日本の政治風土のなかでは傷つきやすい。
 たとえばスキャンダルを用いて彼を貶めることだってできる。このような攻撃を仕掛けることは、そう困難ではない。読者も覚えているだろうが、私は、日本の新聞と検察がこの武器を用いて特定の政治家を選び出して、政治生命を絶ったり傷つけたりしていることを批判したことがある。なぜかといえばこのやり方は恣意的であり、誠実さに欠けるからだ。政治家ならほとんど誰でも、いつなりとスキャンダルに連座させることが可能なのである。
 日本では多額の政治資金を集めなければ、政治家として大を成すことは不可能だった。資金の主要源は企業であり、企業は官僚の独断による許認可権に怯えるがゆえに、政治家を頼んでとりなし保護を求めることになる。

 参考⇒【小沢氏秘書逮捕】金丸氏から託された深い縁 小沢氏と西松建設 (2/3ページ) - MSN産経ニュース

 西松建設と小沢氏の親密な関係が始まった背景には、小沢氏の“後見人”とされた自民党元副総裁の故金丸信氏の存在があった。「竹下派七奉行」の中でも小沢氏を特に重用した金丸氏が47歳の若さで小沢氏を自民党幹事長に推したエピソードはよく知られる。
 金丸氏の次男が、昭和40年代後半から西松の社長だった杉本三吾氏の娘と結婚しており、当時の状況を知る同社関係者は、「金丸氏から西松を託されたのが小沢氏だった」と話す。