朝日社説 小泉発言―あきれる自民の右往左往 : asahi.com(朝日新聞社):社説

 はは、面白い。

 だが、そもそも麻生氏を重用し、首相の座をうかがえるところまで押し上げたのは小泉元首相その人である。定額給付金に疑問があるならもっと早く声をあげるべきではなかったか。

 それを言うなら安倍総理を作り出したもの小泉ということだが、その過程を見てそう思える人はないだろうし、その過程に小泉がどうだったかも。

 今回の小泉発言で、結果として自民党に国民の耳目が集まったのは間違いない。得意の短い発言で流れをつくる「小泉劇場」の再現を狙っているとすれば、それは引退を表明した元首相がやるべきことではあるまい。

 このあたりの反小泉キンタマ縮み上がりぐあいが面白い。小泉としては2/3勝利を重く思っているのだろう。これはこう使うものではない、と。ただ、チルドレンたちのケツを拭いてやらなくてはという思いはあるだろう。
 小泉が動くなら、小池に動きがあるはずだし、なにより中川秀との関連があるはず。というか、飯島が引っ込んだ今、具体的に小泉が動けるわけもないのは自身が一番知っているだろう。

 いや、小泉氏が本気で首相に政策転換を促すというのなら、定額給付金をめぐる衆院再議決では言葉通り「反対」の行動をとるべきだ。
 情けないのは、麻生政権に批判や不満があるのに、正面から主張しようとしない自民党の議員たちだ。福田前首相にも、自ら公約した道路特定財源一般財源化が骨抜きになったことを、どう思っているのか聞いてみたい。

 つまり、民主党のふがいなさでもあり、これはいずれ反転して吹き出すのだろう。
 政局的には⇒中川氏の代表世話人の肩書きは変わらず 自民党町村派 会長に町村氏復帰 - MSN産経ニュース

 自民党最大派閥の町村派清和政策研究会)は5日の総会で、3人いる代表世話人による集団指導体制を見直し、(1)派閥会長に町村信孝官房長官を復帰させる(2)町村氏とともに代表世話人を務めてきた中川秀直元幹事長、谷川秀善参院議員の2人は続投する−ことを決めた。同派最高顧問の森喜朗元首相の提案によるものだ。麻生太郎首相の政権運営を批判してきた中川氏を、町村会長の下に位置づけて降格するものだ。

 このあたりの関連なんだろうと思う。
 森もさすがにもう動けないし、麻生を降ろして次の弾はありえない。とすれば、解散に打って出させるしかない。と流れを見るなら麻生はきちんとグリップ握っているじゃないか。
 今回の馬鹿騒ぎ、麻生さんの天然か策略なのか、実に見分けが難しい。ユーモアセンス以外に能ある鷹は爪を隠す的な能はなさそうだが、肝っ玉だけはある。つまり、いよいよこの人の本当の力、つまり、ヤブレカブレを勘で出しているのだろう。裏に町村禅定があるとも思えない、とすれば、意外と麻生はお祖父様の魂だけは受けているのかもしれない。私は、なぜか、こういう政治屋というか、政治の本性を剥き出しにリインカーネトする人間に興味がある。
 切隊さんもよく見ていた。見過ぎているけど。
 2007.09.14⇒切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man's Blog: ほんとに麻生太郎氏でいいの?

ただ、麻生氏ってのは小泉氏以上に頭が良い分、官僚の意見を「聞き入れすぎる」だろうし、党人の意見に「配慮しすぎる」だろうし、直截的な物言いで国民を挑発しながら小泉以上のポピュリズムの方向へ舵を切るのを当然のようにするだろうと思う。

 まだそこまでの光景は見ていないが。

 麻生氏というのは我々が考える以上に一種の冒険主義と現実主義を兼ね合わせた人間であって、表現はやや不遜不敬ながらナジ・イムレ首相みたいに麻生氏がならないといいなと思ってしまう。

 しかし、そういう時代になりそうだし、不吉な未来が見えるというのも不幸なもの。

で、それはいいのよ… そういう人がこういう状況で必要とされて出てくるのは必然だから。ただ、例えば効果が出て支持が回復する途上で選挙になりました、負けました、ってときに、その路線は国民から否定されたという議論になったら… 麻生氏なら降りちゃうわな。その後は誰がやるの。福田氏ですか。谷垣氏ですか。

 小沢ですか。町村ですか。

麻生氏で負けたら、本当に自民党はなくなるんじゃないかと。だって次がいないもの。選挙に勝てて、日米関係を軸とした安全保障を考えられて、経済効率や治安対策まで網羅する浅くても広い政治家のストックがもうない。だから平沼氏を呼び戻したんだといっても国民が納得するのかどうか… そうなると、麻生氏は政権についたら全力で民主党を割ろうとすると感じます。でも金がないんだよね。

 平沼で国民が納得する……という図でみると小泉笑ちゃうがホラーな彩りに。
 まあ、ざっくり見てろくなことはないよ。
 吉本隆明が昔言って、そして自身がすでに否定した大衆の原像というものがあれば、そしてそこに静かな革命が起きているなら、日本はここを乗り切る。大衆は正義や美辞麗句で生きていない、本音で生きている。マスメディアが発狂していても最後は自分の生活に戻る。だから、あの敗戦を乗り越えた。