朝日社説 道路予算―幻と消える一般財源化 : asahi.com(朝日新聞社):社説

 ポイントは、使途を「道路を中心に関連する」公共事業などに絞ったことにある。なんのことはない、いまの道路特定財源から地方に道路予算として回している約7千億円の臨時交付金の名前を変え、規模を膨らませただけではないか。おまけに、どの道路をつくるかについて、国交省が口をはさむ構図も変わりそうにない。
 新交付金導入のかわりに、関係のない一般財源からあらたに地方交付税を積み増す。「自由に使える1兆円」という首相発言とのつじつまを合わせようというわけだ。そのぶん、他の政策の予算が削られることになる。これではまったく本末転倒ではないか。

 自治体の側も情けない。「道路予算の確保」の大合唱で、一部の首長らの言動は、一般財源化にブレーキをかけるかのようだった。公共事業で地域経済にてこ入れしたい気持ちは分からなくもないが、「自由に使える」という首相のお題目に反旗を翻すようでは自治の名が泣く。

 この問題は率直に言ってよくわからない。ので雑駁な思いでいうと、一般財源というのは政府というか連邦的なカネなので、そこを強化するより、現状の不合理を含むかもしれないがシステムを使いまわしたほうが一般的な市民への波及は少ないと思う。
 改革と称するものが国家に収斂されそうなときは、私は基本的に疑念を持つ。