なんかなあ
今の状況を1920年代の大恐慌に比較するというのはしかたがないとはいえ、あれがどう推移したのかはよくわからない。私などは、あれが大きな誘因で戦時経済に突入したのではないかとも思うが、これも通説では否定されているのだろうか。
与太になるが、911も考えてみれば戦時経済への移行だったとも言えるし、目下の状況はその収束局面と言えないこともない、いやさすがに与太だが。911は西側諸国ではさすがに常識人は陰謀論は唱えないが、イスラム圏では逆が常識になり、歴史の見方は奇妙なものになりそれはそれで固定していく。それでいいのだろうかとも思う。
目下のイラクを見ると、日本などでよく言われているような、ネオコンの大きな間違い論はかならずしもそうとも言えないかなという思いもある。いやそんなことをいうとお前はネオコン支持派かとか誤解されて変な突撃を受けても困るんだが。(同様に新自由主義者かとかもな。)
あれはあれで理想論であり、理想論のもつ危うさでもあったのあろう。
私は911にブッシュjr自身の予見はなかったのではないかと思う。チェイニーは最初からイラク戦をやる気でいた。ざっくばらんにいえばサウジを長期的に守るにはそれしかないという決意だったのだろう。その決意が正しいかどうかは、歴史のifとしても扱いづらい。ただ、歴史に意志を向ける西洋人の情熱というか、狂気に呆れる感はある。
911のインパクト自体は予期されないものとしてある意味では偶然だっただろうから、歴史というのはそういう偶然的な要素を持つものだというふうに、私はまず理解のうえの線引きする。
ブッシュもこんな政権をやりたかったわけでもないだろうし、ライスもこんな世界と格闘したかったわけでもない。その意味ではもう消えちゃったラムちゃんにも理想はあった。そうした人々からみると、むしろパウエルの理想は私にも近いし、精神的なへなちょこ感もそんなものだ。
与太とは限定するが、戦時という狂気を繰り返すことで、人間というか人類の意識は変わる。ろくでもないこっちゃと思うが、目下の経済危機も多分心理の問題であり、その心理は別の戦時を誘発しているのではないか、というか、そういう兆候は先日のグルジアにあった。日本ではあまり報道されなかったが、その後の黒海での不穏な動きもあった。
しかし、あのあたりからべたに不穏な動きは起きないとすれば、悪い与太話だが、不穏なところは、パキスタンかホルムズ海峡(つまりイランということ)だろう。後者なら一気に日本がまた、私も経験したこともない、あの暗い時代の空気のなかに流れ込んでいくのだろう。ぞっとするな。
その二か所以外に不意を突くような発火点はあるだろうか。イスラエルあたりはいろいろもめていること自体が鎮火装置のようでもあるし、西側世界でのいわゆるテロはあまり起きそうにもない。北朝鮮は? むしろ韓国の社会崩壊が引き金になる可能性すらある。中国については、わかるといえばわかるしわからないと言えば皆目わからない。あんだけ不良債権抱えてどうして米国より平然としていられるのか……というかすでに米国に組み入れらたということかもしれない。まあ、そのあたりはちょっと与太というには足を出しそうだし、あまり派手なことを日本の近所でやってくれるなと思う。
日本から飢えが消えたのは、それと広義に20世紀最大の悪魔である結核が消えたのも、私が生まれたころだった。まいどなんだが自分ではしょっぱい人生だな端役の人生だなと思いつつあり、世界史上にこんないい時代と場ってなかったんじゃないだろうか。このまま人生逃げ切りたいものだとも思うが、そのあたりの思索で、あちこちの与太話の陰影が変わる。
まあ、未来が真っ暗とかそういうのじゃないけど。