毎日社説 社説:汚染米転売 農水省の責任を厳しく問え - 毎日jp(毎日新聞)

 これなんだけど。
 農水省的な国家の視点からすれば「事故米」で一括してもいいのだけど。
 国民の食の安全という点では、メタミドホスアフラトキシンは分けて議論したほうがいい。メタミドホスについてはどうも餃子の一件から奇妙な誤解が広がっているようだが、あの餃子は一種のテロだけど、現在の事故米はある面アジアの常態の米なんだけど。
 ⇒極東ブログ: 三笠フーズの事故米、雑感

 穿った読み方になるが、メタミドホスは2003年度以前は実際にはかなりの部分が野放しだったのではないか。

 このエントリも問題意識を誤解されて中傷を受けたけど。
 続報というか⇒事故米転売:農薬規制強化後3500トンが事故米に - 毎日jp(毎日新聞)

 コメ卸加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)などの事故米転売問題で、03〜07年度の5年間に政府が売却した事故米の総量7400トンのうち、半分近くにあたる3500トンは残留農薬の規制が強化されたため輸入後に事故米になったコメであることが16日、農林水産省民主党に提出した資料で明らかになった。基準を超える殺虫剤「メタミドホス」が検出され、三笠フーズが転売した中国産餅米800トンもこれに含まれている。

 規制が変わったから03年以降、新しく「事故米」になったわけですよ。

 農水省の資料によると、書類が残っている過去5年間に売却された事故米7400トンのうち輸入米は5285トン、国産米は2115トンだった。輸入米の事故米は05年度の29トンから06年度の2589トン、07年度の1078トンと急増したが、その背景は06年5月に導入された「ポジティブリスト制」の影響とみられる。

 だからその大半はすでに事故米じゃなくて流通していたのでしょう。

 同制度は「使っていい農薬」だけをリストで明示し、リストに載っていない農薬(メタミドホスなど)には一律0・01ppm以下という厳しい基準を設けた。農水省は「新基準で政府保有の輸入米を検査し直したところ、3500トンが基準値を超えた」と説明している。

 調べ直したら事故米だった、と。
 まあ、こんな話するとまた変な誹謗を受けるかもしれないけど。けどというのは、メタミドホスは安全だとか不正を弁護しているとかじゃなくて、こういう背景なんだよ、と。
 社説に戻って。

 これまでに確認された範囲では、ただちに人体に危険な量の殺虫剤成分などは検出されていないという。だが、汚染米の流通は相当以前から続いており、体内に蓄積した場合の健康被害の不安はぬぐい切れない。

 「体内に蓄積した場合」っていうけど、それをどう考えるかが問題なんだけど。
 で。

 国は速やかに、汚染米の流通先での使用状況を確認し、健康への影響の有無を確かめると同時に、検診などの長期的な対策を講じることが不可欠である。でなければ、国民の不信と不安を解くことはできない。

 このあたり、否定はしない。ただ、どう実施するかということ。
 ただ、識者の見解をきちんと反映したほうがいいと思うけど。