毎日社説 社説:雇用開発機構 「解体」論は乱暴過ぎないか - 毎日jp(毎日新聞)

 これは正論だし、そう思う。むなしいけどね、今となっては。

 解体の方針によれば、全国61カ所にある「職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)」は都道府県に移管を検討する。地方自治体でも独自に訓練が行われているが、自治体の訓練は地場産業の人材育成が中心だ。ものづくりに特化した同機構の訓練とは違う。フライス盤や溶接などの訓練には多額の設備投資と実績のある指導員が必要で、財政力の弱い自治体や民間に引き継ぐのは難しい。

 同機構の運営は雇用保険料でまかなわれている。ムダを徹底的に排除し、訓練業務の大幅な見直しを行うのは大前提だが、自治体などに移管して同機構を解体すれば問題が解決するというのは乱暴な議論だ。
 失業者の訓練後(年間11万人が受講)の就職率は約8割に達している。学科と企業実習を組み合わせた「日本版デュアルシステム」を受講したフリーター(年間3万人が受講)の就職率も8割弱だ。同機構の業務について冷静に評価を行ったうえで結論を出すべきで、国民受けを狙った解体論では支持は得られない。