日経社説 国際的孤立はロシアの得にならない

 一つの典型的な意見としてクリップ。

 しかし、孤立はロシアの得にはならない。第一に冷戦崩壊後のロシアの民主化市場経済化、国際社会との協調が水泡に帰す。第二に外国投資が細り、エネルギー輸出主体のロシア経済のもろさが露呈する。ロシアはグルジア紛争で自国の通貨や株価が下落していることを率直に受け止めるべきである。
 そもそも米欧との対立を深刻化させた非は、主権国家であるグルジアに軍隊を駐留させ続けるロシアにあることを忘れてはならない。

 今回の事態はそう。ロシアの得にならないは重層的。

 比較的冷静に対応する欧州主要国と比べ、米国がロシアの神経を逆なでしているのも気掛かりだ。政府高官を派遣してロシアと距離を置くグルジアウクライナへの支援姿勢を明確にし、両国のNATO加盟を後押ししている。ロシアが反対する欧州へのミサイル防衛施設の配備でも、米国は米ロ対立のさなかにポーランドとの合意文書に調印した。
 対決姿勢をあおる前に、国際社会が南オセチアの平和維持体制を築けば、ロシアはグルジアに軍隊を駐留させる根拠はなくなる。米欧とロシアは国連安全保障理事会などの場を通じ、全面撤退実現への妥協策を速やかに模索するのが先決だろう。

 米国と濁しているがこれはクリントン政権の外交をブッシュが継いだもので根は深い。
 「国際社会が南オセチアの平和維持体制を築けば」というのが何を意味しているかで、国連は機能できないし、NATOは、という問題になる。