日経春秋 春秋(8/24)

旅と日本人のつきあいは古い。元禄期に江戸を訪れた出島駐在の医師エンゲルベルト・ケンペルは、東海道は欧州の大都市の繁華街よりもにぎわっていると書き残している。娯楽も仕事も含め、ほかの国の人々に比べ、日本人はたくさん旅をするからだ、というのがケンペル医師の見立てだ。

 これには講も関係している。たぶん、近世の講はナショナリズムの育成に関係していると思う。
 こういうのとかもある⇒壷阪観音霊験記
 あと、日本は女性が旅する国で、これはかなり不思議といって文化ではないか。
 面白いよ⇒「 旅する女人 (文春文庫): 永井 路子: 本」

運命を賭け夫・大海人皇子と共に吉野へ向かったう野讃良皇女(持統女帝)。淡い水彩画のような筆致で旅行記更級日記」を書いた菅原孝標の女。木曾の風雲児義仲に従った巴御前の逃避行。後深草院との愛に破れ、感傷旅行に出た二条。江戸時代、信州の一主婦でありながら旅日記をまとめた沓掛なか子。五人の女たちの旅のドラマを探る。

 とくに、沓掛なか子。
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創業当時の女将 沓掛なか子は、著作「東路の日記」や、作家永井路子氏により「旅する女人」として紹介されていることでも有名です。これらは、ごく平凡な商家の女将だったなか子が文学を志し、五十路半ばを過ぎてから、秩父札所を回り、江ノ島、江戸へと旅をした記録として、現代も受け継がれています。

 こういうところに歴史というものの不思議な感触が露出する。