おやまあ増田で

 ⇒”大きな誤り”の始まり

 原材料価格高騰のショックがなぜ問題なのかといえば、原材料価格が他財と比較して急激に上昇することで、他財の原材料価格に対する相対価格(原材料価格/他財価格)が高まるためである。では、このショックを緩和するにはどうしたらよいのだろうか。一つには技術革新といった手段で原材料価格自体を引き下げることである。これは原材料に対する他財の相対価格が高騰した現状を緩和させることを意味している。しかし、原材料価格自体を引き下げていくのは容易ではなく、竹中氏が言うように「我慢しよう。歯を食いしばってこれをしのごう。」と国民にこれまで以上の負担を要請することになってしまう。そしてこのような政策が効果をもたらすのは技術革新が伴う以上長い時間がかかり、そしてこの政策を推し進めるのは原材料価格以外の財の価格ベースではマイルドなデフレにある我が国経済にとっては得策ではない。
 原材料価格高騰のインパクト(つまり原材料の他財に対する相対価格の高騰)を押さえるもう一つの方法は、他財の価格を押し上げることである。原材料価格ではなく他財の価格を押し上げることは、原材料価格自体を抑制するという方法と同様に、原材料価格の他財に対する相対価格の上昇を抑えることに繋がる。そしてこの、他財の価格を押し上げることは、GDPデフレーター、CPIコアコアといった国内財価格がデフレに陥っている我が国の内需を掘り起こすことに寄与し、失われた購買力を回復させることに繋がるのだ。

 まあ、そういうこと。

今何を議論すべきだろうか。当然ながら、同じ狢同士で批判しあうことではないのは明白である。議論すべきは金融緩和を行うための具体的政策手段としてどのようなものがあり得るのかという点である。

 でも、ないんですけどね。
 ⇒http://anond.hatelabo.jp/20080819001855

 ちょっと書いていて思っていたのは、今回のような非競争財で輸入財といった原材料について、金融緩和を行った場合に国内財を含めた全ての財の価格が一律に上昇すると見ることが出来るのかという点。実証ベースだとそうはならないという指摘もある(例えばhttp://www.ier.hit-u.ac.jp/~kitamura/PDF/A111.pdfとか、一橋大学の渡辺先生の議論とか)ので、その辺りと相対価格・一般物価との関係をどう考えたら良いのかという点は今回の話に関して言えば論点になるのではないかと思う。

 まあ、そこまでは私もわからない。
 
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