薄曇り

 風は出そうだ。夢は忘れた。
 昨日は胃に穴が開きそうな決断をし、まあ、ビールでも飲むかとしたが、やはり寝付かれなかった。では坐禅でもするかとすると眠気はやってくる。では寝るかとするとやはり眠れない。それではまた坐禅でもするかと繰り返した。小一時間もそんなことを繰り返したが寝た。水泳しておいてよかったな。
 自分は悲観的な人間だなと思うが、世間の人を観察していると、自分が見た感じでは自分はどっちかというと暢気な人でもあるようだ。けっこういやなことやつらいことは忘れている。人生をすり減っていくなにかとして見ているからかもしれない。過去は、字義通り過ぎ去った。幸せも不幸も、楽しいこともつらいこともあった。いずれ死=無に至るが、すでに過ぎ去った過去は無であり、死のようなものだ。死とは私の死だ。