朝日社説 婚外子の国籍―子どもを救った違憲判断 : asahi.com:朝日新聞社説

 従来は親が結婚していることが、その子と国家との密接な結びつきを示す根拠と考えられていた。しかし、家族や親子についての意識も実態も変わった。多くの国で、こうした出生による差別をなくすようにもなった。
 判決はこのように理由を述べた。極めて妥当な判断である。
 原告の子どもたちは日本で生まれ育ち、日本の学校に通っている。日本人として暮らしているのに、日本国籍がないと、社会生活で様々な不利益がある。原告の一人、マサミさんは(10)は警察官になるのが夢だが、それもかなわない。こうした差別と権利の侵害を放置しておくわけにはいかない。

 私は「極めて」とは言わない、「現実的に」妥当な判断だと思う。そしてその「現実」にはこの引用部の3段目に同意する。つまり、現実からの差別の問題であって、1段目にいう差別からの発想とは違う。
 今回の判断に強く賛同する人たちは、結果的に日本の血統主義の強化をも賛同していることになる。特に父親の認知という点では父系血統主義の色合いは濃い。
 私は日本国家は本質的に市民契約だと考えるので、今回のケースでは司法で見直された外登法は時代的に古いこともあり、市民契約の内容として立法府で議論があるべきだと考えると。つまり、「極めて」というのは、国論がなくてはならない。