性同定の語りの変化というか
いつからなんだろう、女が、女だからみたいなスタンスを前提に語り出したような気がするというか、現状はそればっかなのでむしろ、自分の感覚のほうが変かもだが。
私が青春のころは、恋愛の内側にはそういう男や女の語りはあっても、そこからは出てこなかったように思う。というか、性のスタンスの語りは公的になると、男とか女とかの一般性のモデルになり、性の個人的な部分が抜け落ちる。ところが性というのはその個人的な部分の情感で生息している。
80年代ころからこういう変化が起きたのは。
女や男が、自身を、タイプとしての男や女に同定して語り出すというのは。
もちろん、昔も「女なんてものは」というのはあったし、むしろ昔のほうが多かったのだけど、そういう語りはある種の原則的な抑制があった。つまり、「聞くなら聞きなさい聞かなくてもいいよ」といった。現代では、それを前提にしないとコミュニケーションにもならないよ的になっている。