日経春秋 春秋(5/12)

 どうもつつきが年寄り臭いかもだが。

 浅草で生まれ育った作家安藤鶴夫は「祭りの日よりも、その前の晩の宵宮(よみや)が好きである」と随筆「東京のまつり」に書いている。「みんな、なんだかはしゃいだ。(略)早くねなさいよ、と母親にうるさくいわれても、どうしてなかなか眠れるこっちゃアない」
▼遠足の前夜はウキウキして寝付けないとか、旅行はあれこれ計画を立てているときの方が楽しいとかと同じで、宵宮が好きなのは安鶴氏だけではなかろう。その証拠に「待つのが祭」「祭より前の日」などの慣用句がある――以上のような話を槌田満文著「四季ことわざ辞典」で教わった。

 春秋子、宵宮のことがわかっているのかな。
 というのは、「遠足の前夜はウキウキして寝付けないとか、旅行はあれこれ計画を立てているときの方が楽しいとかと同じで、宵宮が」とあるあたりに疑問符。
 ちょっとネットを覗くと⇒宵宮

 もともと日本の祭りは神が降臨する夜間において行われるのが本義であって,本祭りの前夜祭である宵宮(夜宮)が祭りの原型であり中心であった。

 あと東京だと秩父とか府中とかの祭が顕著だが夜祭りはむしろ祭のメイン。
 もっとも安藤鶴夫の筆法を私が知らないのではずしているかもだが。