日経春秋 春秋(4/24)

 移民きみら辿(たど)りきたりし遠き道にイペーの花はいくたび咲きし――横浜のJICA・海外移住資料館で開催している写真展「新世界に渡った日本人」の会場入り口には、1998年の歌会始で皇后さまが詠まれたこの歌を掲げてあった。
▼イペーはブラジルの国樹ともいえる落葉高木で黄色や桃色の房を枝いっぱいにつけ、日本での桜のように、見る人にさまざまの事を思いださせる花らしい。

 執筆子、沖縄を知らないのだろう。沖縄にはイペーはあちこちよく咲いている。そして、うちなーんちゅうは言うのだ、「……(略)