薄曇り

 花が満開。光るかのようだ。天気図を見ると気圧の変動がはげしくなりそうだ。
 夢はよく覚えていないが、「不当ということの非人称性」というなにか抽象的なテーマだった。不当性というのは対人関係に投影されながら、実は個々の人間の関与が最初から欠落している。たとえば、駅前で通り魔に刺される。大変に「不当」なできごとであり、その人を憎む。だが、愛憎で刺されるのではなく通り魔に刺されるのであれば、人間的な了解はそもそもできない。通り魔を憎むのはしかたがないが、そこに「不当ということの非人称性」があり、憎しみによって自分が同じく非人称的になる。同じ事が民族など仮託された自己性にも言える。