読売社説 新銀行東京 都民も首かしげる追加出資 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 読売の議論は朝日より格段にわかりやすい。

 新銀行東京が開業3年で積み上げた累積赤字は、1016億円に上る。このため、都が設立時に拠出した1000億円は失われる可能性が濃厚だ。
 現状でも損失は甚大だが、さらに出資する理由は何なのか。
 石原知事ら都の幹部は、ここで新銀行東京清算すれば、融資先9000社が一挙に苦境に陥る上に、預金の払い戻しなど事後処理でさらに1000億円以上かかる、としている。

 都側の言い分だが、損失は損失として理解できないものではない。

 調査報告書は、「旧経営陣の責任を問う訴訟に影響する」「個人情報が含まれている」などという理由で、都議会にさえも数ページの概要版しか公表していない。こんな姿勢では、都民の理解を得られるはずがなかろう。

 これはたしかに問題だろう。

 石原知事は都議会で自らの責任を認め、謝罪した。ここはもう一歩進んで、漸次撤退を前提に経営計画を練り直す方がいい。在任中にきっぱりと片を付けることが、責任の取り方ではないか。

 個人的な印象ではこの意見に賛成する。
 損得問題という経済上が優先される問題に、石原バッシング的なイデオロギーフレームワークをまぜて議論しないでほしい。