日経春秋 春秋(3/12)

 霾――難しい字だが、音読みすると「ばい・まい」訓読みは「つちふる」で雨冠の下は埋とも書く、と漢和辞書に出ている。地上の物が埋まるほど、土が雨のように降る中国大陸の気象現象を指し、これが日本まで来たのを黄砂と呼ぶ。
▼中国最古の詩歌集「詩経」にも現れていて「終風」と題した詩に「終風且霾=終日風が吹き土ぼこりが立ち込める」との句がみえる。日本では3月から5月にかけて多く出現する風物詩で、春の季語にもなっている。ただし、なぜか「大正末ごろから詠まれ出した新季題」(講談社版『日本大歳時記』)だそうだ。

 まそういうこと。「霾」なのだろうが。
 ⇒極東ブログ: [書評]終風句集 終風且暴(石垣終風)