日経社説 AUは紛争解決へ意志示せ

 この問題を取り上げただけよしとしたいのだが、内容が微妙すぎ。
 まず、中国様とアフリカの問題に触れないのはお作法というところでしょうか。ただ、そこに触れないと欧米の議論は伝わらない。

 会議に出席したリビアの最高指導者カダフィ大佐はAUの紛争解決機能を強化すべきだと強調した。大佐には独特の政治的思惑があるのかもしれないが、その主張は正論だ。

 それが前回見事に予想通りに、NHKのはずしも含めて滑ったのをご存じなければちょっと論外。わかっていてなお言うなら、もうちょっと丁寧に、と言いたいのだが。

 だが、会議はアナン前国連事務総長による調停を見守るとの傍観者のような姿勢を示すにとどまった。ケニアではいまも虐殺が広がる恐れがあると懸念されている。国際社会の介入も重要だが、AUは自ら解決に乗り出すという対応を示すべきではなかったか。

 執筆子、ダルフール危機の経緯をよく知らないもよう。AUがどれほど無理だったか、原理的に無理な限界すら見えてきた。
 とま、日経の無知を責めるわけではないが、この問題はAUは重要だけど、そこにソリューションはない。そして、中国のアフリカ関与はでかいのだからそこをネグリまくっても議論にならない。
 ただ、ケニヤ問題などに中国が深く関わっているわけでもないし、歴史的な経緯からすれば米国の関わりも深い。そして、これはかなり部分、19世紀列強帝国主義の歴史的精算の側面もある。