基礎的事項

 ウィキペディア的⇒メタミドホス - Wikipedia

日本では農薬、殺虫剤として使用することはできないが、中華人民共和国などでは広範に使用されていた。昆虫の他、ダニ類にも効果が高い。このため、中国国内や香港などに出荷する野菜や果物に残留許容量を超えているのが発見され、廃棄処分をされたり、中毒を起こす事件がたびたび発生していた。この事態を受けて中国政府は、2006年ごろより使用禁止を検討してきたが、2008年1月9日に他の毒性の高い農薬4種と共に禁止の通達を出し、原則として生産、流通、使用を禁じた[1]。日本でも過去にソバやレイシなどで、基準を超える残留が発見されている。

 ⇒中国では死亡例も、餃子から検出「メタミドホス」 - MSN産経ニュース

 中国メディアによると、今年1月11日、広東省仏山市でスープ料理を食べた農家の4人が中毒症状を起こし、うち2人が重症となった。スープの中に入った木の実に、約10日前にメタミドホスが噴霧されていたため、残留農薬が中毒を引き起こしたとみられている。

 04年3月と4月には、四川省で誤って調味料として食品に混入したメタミドホスを食べた農民12人が中毒を起こし、2人が死亡。同省衛生庁は同4月、注意を呼び掛ける通達を出した。

 残留農薬と混入がごっちゃの扱い。
 ほいで。
 ⇒中国産ギョーザ:どこで殺虫剤混入? 中国での包装段階か - 毎日jp(毎日新聞)

 推定できるのは、▽原料である野菜などにもともと残留農薬として付着していた▽工場での製造過程で入った−−の2ケースだ。農林水産省によると、メタミドホスは、加熱調理することで分解され毒性も弱くなる。ギョーザは冷凍前に加熱処理されており、残留農薬の可能性は低いとみられる。

 工場での製造過程での混入の可能性が高いが、厚生労働省の担当者は「限られた商品で被害が出ていることを考えると、個々の商品になる直前に混入したのではないか」とみる。両県警の捜査では、メタミドホスは商品のパッケージから検出されている。この担当者は「包装段階が最もあり得る」と話している。

 残留農薬というスジではなさそう。
 で。
 判断が難しいが参考までに。
 ⇒中国製冷凍ギョーザからメタミドホス|農家こうめのワイン

 ただし、本当にメタミドホスが由来の中毒だとしたら、それは恐ろしいことに、殺虫のために(メタミドホスは殺虫剤です)、野菜ではなく餃子に直接使った可能性が高いと言うことになると思います。メタミドホスであれほどの中毒を引き起こすということは、0.5〜1グラム程度を摂取したと考えられるのですが、それはかなりの大量です。ためしに、1グラムの塩を計りとってみると分かると思います。

 ⇒中国製ギョーザからメタミドホス その2 枕詞のように使われる「農薬」「有機リン系」は正しいか|農家こうめのワイン

 また仮にメタミドホスが原因だとしても、それは野菜の残留農薬ではないと考えられます。餃子に入っている白菜やたまねぎ程度のものに、中毒を引き起こすと考えられる1グラムものメタミドホスが残留するとは到底思えません。小さじ一杯の小麦粉が何グラムか量ってみると、1グラムがどれだけ大量か分かると思います。餃子に調味料として使われる塩とどっこいのレベルの量かと思います。
 そういうわけで、メタミドホスが残留していたのは野菜以外の何かで、しかも散布後1週間程度で相当消えてしまうものですから、やはり工場の何らかの工程で混入したものと言う可能性が高いと思います。

 さて。
 調味料と間違えられたか?
 だとするとその分布はどうだろうか?
 これも推測の域を出ないけど。
 ⇒天漢日乗: 中国毒餃子事件(その8)有機リン系農薬は餃子のなにに混入していたのか
 小麦粉説。