日経春秋 春秋(1/31)

ソブリンとは本来「君主」や「国王」を意味する。その名を冠した硬貨に、小説の登場人物も王権の重みをずしりと感じていたに違いない。最初の発行は1489年。絶対王制を築いたヘンリー7世の肖像が刻まれていた。ソブリン金貨は今も鋳造されている。ただし通貨というより、金の地金として取引される。▼王権の金貨は歴史の中に霞(かす)んでいった。現代の金融市場に君臨する新君主は誰だろう。中国や中東産油国の「ソブリン・ウェルス・ファンド」が米欧の金融機関の危機に手を差し伸べている。背後に国家権力が控える巨大マネー。彼女への想(おも)いと金貨を大切に胸にしまう名探偵ホームズならその素顔をどう読むか。

 毎度の辞書引きコラムの域をでないのだが。
 がというのは、「ソブリン」、つまり、sovereignの語感のとらえ方がちと違っているというか、執筆子内的にはこの言葉の語感を持ってないような気がする。
 こういうところに、なんというか、私がいうとまたイヤミのように嫌われるかもだけど、若いときにギリシア語とラテン語は少し勉強しておくとよいと思うのだけど、ま、そうでもなくてもいいが、と、つまり、sovereignの音の響きは、reignがある。ラテン語の活用のあれregina, reginaeとか連想するけど、つまり、super reignの語感がある。
 で、reignなんだが。
 研究社の辞書とかでもちゃんと書いてあるな。

(君主・帝王などの)君臨, 統治《★_解説_君主の地位にあることを意味し, 必ずしも支配・統治することは含まれない》

 ま、これだけだとわかりづらいかもしれないけど、王権だけど、支配・統治は含まれないとある。いや、これだと意味が逆になりかねない。
 これは施政権とは別の所有権の概念なのだ。
 このあたり⇒極東ブログ: 領有権=財産権、施政権=信託
 これもちょっと⇒極東ブログ: 尖閣諸島、領土と施政権
 これもちょっと⇒極東ブログ: 国民による国民のための国民の政府
 ま、そんな感じ。