日経社説 日雇い派遣の見直しが必要

 雇用が非常に不安定。単純労働のうえ派遣会社がマージンを取るので賃金が低い。社会保険にも入れない。技能が身につかない。一度こうした生活に入ると抜け出すのは容易ではない……。問題は多いのに、日雇い派遣の実態について全体像を示すような調査はないに等しい。
 厚労省が昨年夏に実施した調査では、日雇い派遣労働者5万1000人のうち75%を20代と30代が占めた。適当な定職がなく安易にこうした働き方を選ぶ若者がいるのは確かだ。企業にとっても便利な存在かもしれない。だが、現状を放置すれば、少子化で労働力が減るなか、社会の中核をになうべき若者が職業能力を磨く機会もなく、年老いて社会の“お荷物”になる可能性すらある。

 「調査はないに等しい」という状況をからだで掴むのが、聞屋さんのお仕事。