若い頃わけあって、その2

 友人が盲人だった。別の友人は聾唖者だった。
 全盲の彼女からは見ること教わったように思うし、聾唖者の彼女からは声のない世界の言葉を学んだような気がした。
 私は超感覚的な世界というのは信じない。だけど、通常感覚の世界がどれほどか閉ざされていることは知っている。
 そしてそのある意味充溢した感覚の世界には、人間を強く呼ぶなにかがあった。