大手紙社説より

日経春秋 春秋(10/11)

生理学・医学、物理学、化学という自然科学3部門で、世界でいちばん多くの受賞者を出しているのは米国だが、そこの大統領が世界でいちばん科学者からの評判が悪い。人間の活動による地球温暖化を否定してきたブッシュ政権に対して、現在1万人を超える米国の科学者・研究者が抗議の署名をしている。

 これなあ。まず、この件で科学者からの評判が悪いと言えるかというとよくわからないし、春秋子、米国の連邦と州の関係がたぶんよくわかってないだろうと思う。というか、日本でも左派にありがちなんだが、トップによって変わる問題とそうでない問題があり、実質はローカルな政府で対処可能ということもある。というか、そうすべき問題(例えば教育)などもある。あと、トップというのは政局の問題がつねに関連する。
 そうした点で、例えば連邦の問題であればその局限性に着目しないといけない。

日経社説 高揚感なき欧州金融再編(10/11)

 私が勉強不足でなんとも言えないのだが、違うなあ感はある。

産経社説 アフガン派遣 いま結論出すべき問題か

 民主党にもアフガン本土への自衛隊派遣には賛否両論があるが、賛成の立場からはISAFと密接な関係にある軍民共同の地方復興支援チーム(PRT)、医療支援やインフラ整備にかかわる日本人文民の警護、ISAFの後方支援などが検討されている。
 これらは本来、政府・与党が考えておくべきテーマではないのか。ことあるごとに時限立法の特措法で対処するのではなく、自衛隊派遣に関する恒久法を制定する議論にも結びつく。
 小沢氏の問題提起は間違いではないし、政府も憲法問題を意図的に回避すべきではない。ただ、現在はインド洋でのテロとの戦いをいかに継続するかが問われている。

 産経は小沢を忌避しているのかと思ったが、これはレトリックなしによい社説だと思う。ただ、産経の読者が受け入れるか、また左派が産経だからという理由で嫌悪するか。いずれにせよ、そういう情報を取り巻く政治が多すぎる。

毎日社説 社説:富山再審無罪 弁護や裁判にも疑問が残る

柳原さんは拘置中、派遣された当番弁護士に無実を訴えた。同じ弁護士が国選弁護人となったが、その時点では起訴事実を認めていたため、法廷では情状酌量を訴えた。柳原さんの供述の変転を不審に思い、真相を引き出すことはできなかったのか。

 それいうならジャーナリズムはなぜこの問題に黙る?
 ⇒極東ブログ: 筋弛緩剤事件は冤罪ではないのか
 ⇒極東ブログ: 東電OL殺害事件被告は冤罪である

読売社説 民主党質問 ISAF参加法案を提出しては

 読売のこの対応は一種のニヒリズムだと思う。

 小沢代表は、アフガンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)に、「政権を取ったら参加したい」と言う。それなら、参院にISAF参加法案を提出し、可決してはどうか。

 烏合の衆の民主にはできないだろということだ。たしかに出来ない。けど、小沢の理念はそういうことではない。

朝日社説 給油転用問題―疑惑はとても晴れぬ

 特にどってことないかなという印象。朝日はこういうとき理屈をこね回すのだが、自前では梅林宏道さんみたいな仕事はしない。仕事してよ、聞屋、と思う。つまり、米政府や米軍を自力で調査したら?
 仕事人⇒finalventの日記 - 梅林宏道さんの仕事はいつもながらすごいと思います。