日経 春秋(9/17)

 デビューも生まれ年も近く名字も同じ。米国文化の影響が濃い2人の作家といえば村上龍、春樹の両氏だ。かつて若者層に広く読まれた点も共通するが、いまの支持者には大きな差があると近著『下流社会 第2章』でマーケティング研究家の三浦展氏は分析する。▼経済問題にも発言する龍氏の読者は経営者や管理職が多く、年収が高くなるほど読者が増える。春樹氏はフリーター層で支持が高い。捨て子など疎外された人々を好んで主人公にした龍氏。裕福に育った青年の憂うつを情緒的に描いた春樹氏。関心の向く先は入れ替わった形だが新たな顧客層はしっかりつかんだ。

 ぽかーん。