栗本さんのそれ

 ⇒alternative jiangmin - クリシン
 えっとそれ最近読んだというわけではないですよね。
 それ⇒「 ホモ・パンツたちへ―がんばれよと贈る本: 本: 栗本 慎一郎」
 この本ですが、まあfinalventにまた騙されてもいいやという人は速攻で古本買って読みなさい。リンクはアフィリだけど、アフィリでなくてもいいから。
 ついでに。
 これも⇒「 明るいチベット医学―病気をだまして生きていく: 本: 大工原 弥太郎」
 若干危険な要素もある本だけど、とにかくまあ、この2冊は俺に騙されちゃいな。
 で、と。戻って。

 中島義道の善への指向は阿闍世コンプレックスというのは、読んでみてなんとなく了解できた気がするのですが、クリシンのこの離人症っぽいのはなんなんでしょう。古谷先生、教えて!!!

 あ、その前に。
 ⇒「 愛という試練: 本: 中島 義道」
 3/4はくだらない内容だけど、最後の中島の母の死に様とそれに向かう彼のところは必読。この本は騙されて嫁とまではいわないけど、人生ってこんなものだというのは読んでおいていいかも。
 で、と。
 「クリシンのこの離人症っぽい」というのは、ある種のフツーですよ。
 これは、あれです。
 あれ⇒「 完本 妖星伝〈1〉鬼道の巻・外道の巻: 本: 半村 良」
 ああ、一巻だけではなく、全巻というか、うへぇと思わず、読んでみるといいですよ。すらっとは読めないけど、けっこう読んでいる一週間くらいは、異常なハイになりますよ(恋愛とかその期間にしないように是非)。最終巻はある意味でなくてもいいし、別に読んでもいいかもしれない。
 で、元の「クリシンのこの離人症っぽい」というのは、できるだけべたに言うと、
 
   1 私はこの星の住人ではない
   2 私はなぜこの世界に生まれてきたか理由を知っているが想起できない
 
 ということですよ。1についてはガンダムアムロ的なんだけど、あれね、ネガティブに解決してしまってまさに巨人の星じゃないんだからというか。
 1のバリエーションは、「私は日本に生まれたけど日本を受け入れられない」というのがあって、そのために、「私が受け入れられる日本はこうであるべきだ」となる。まあ、あれです、べたな左翼心情とかですよ。それから、あれね。あれは言わなくてもわかるでしょ。こういうのをほのめかしだとか言うやつは略。
 ちょっと違うかもしれないけど、1が世界系の根でもあるし、その内、世界の側の問題というか物語化してしまう。まあ、勝手にやってくれ。
 でもどって、私はこの星の住人ではないというのは、栗本さんの原点の感覚です。これは、そう本人が思いこんでいるみたいに傍から見ている人はあまっちょろいわけで、もうべたに言いますが。
 これもね⇒「 シリウスの都 飛鳥―日本古代王権の経済人類学的研究: 本: 栗本 慎一郎」
 つまりそういうことなんですよ。
 で、もうすっかりあっちの人的にいうと、「私はこの星の住人ではない」という自明性というのは、地球=ゲオの愛の相関の意識のなかで生まれる。ここまでべたに言うと差別とか言われそうでなんだし、必ずしも生物学的な意味での「女」ではなくそのゲオの力の象徴でもいいのだけど、地の力として女の愛に留まっているから、「私はこの星の住人ではない」ということで。
 で、「ホモ・パンツ」という本は、他者に向けた人生論のように書いているけど、これは彼のそういうゲオ=女という体験によって、この地上の生の限界を受け入れた意識の問題なんですよ。彼はしょろっと同書に書いているけど、娘が生まれたとき(女に生んでもらったとき)愛を知ったのですよ。その後の彼は、ある意味でなんとかやって、そして今の私くらいのときは、すでにタナトスつっぱしりで、ある意味で自殺に向かっていた。奥さんが死ぬなとしたわけです。この地上の生の限界とは生きるということでもあるわけですよ。
 「2 私はなぜこの世界に生まれてきたか理由を知っているが想起できない」については、ちょっとややこしい。ただ、べたに言うと、暗黙知というのは結局はそれなんです。きちんというと、暗黙知というのは、知識の内容ではなくて、知るありかたを指しているので、そのあたりかなりの人が誤解しているけど、知識のindwellingということ。でも、その背後にあって、ゲオ的な身体のなかに侵入している、お前って誰?といえば……ということです。
 この手の話は、書いていて狂人モードになりなねないというか、脳のあの箱を開けかねない怖さがあるので、おちゃらけで書いておきます。わかる人は、こんな話、するするわかるでしょう。このするする分かってしまう狂人モードというのは、もうもう牛さん。
 ええと、このエントリもっと解説とかしません。別の機会に別の変奏はするかもですが。
 この手の話とかべたなネタだけ取り上げて、馬鹿とかキチガイとか、そういうツッコミはないだろっていうか略。