酒が飲めなくなってからか

 まあ、多少は飲めるようになったが。
 それでも、飲み屋とかは行かなくなった。緊張して、いやだ。
 人とも飲まない。緊張してやだし、たいてい、旨くない。
 ひどいもんだな俺と思うが、不幸にしてか幸いにしてか、中年の飲んだくれ男にはなれなかった。蘊蓄もまるでない。趣味もない。いや、この日記とかにたれているのは蘊蓄とか趣味とかではないのか? そうでもないだろ。finalvent女説があるみたいだし(あるのか?)。
 これが高じてきている。
 飲んでいる人を見るものいやだ。酔漢は論外。タバコ吸っている光景もいやだ。まいったなと思う。
 エレベーターに乗るとき、そこに汚れた感じ(酒とか煙草や香水をつけた人々は私には汚れている)の人がいた気配があると、気分が悪くなる。
 河口慧海が晩年、肉食や魚食の人間が近くにいるだけでも不快だったというのも、なんとなくわかる。かつて私もピュアなヴェジタリアンをしているとき、そういう人の臭いがたまらなかった。ただ、なんというか、今のほうが不快感というか嫌悪感がきついのかもしれない。
 河口慧海か。このくらい、生涯童貞、ガチな人もいないな。