喫煙者の風景

 私はタバコが嫌いだ。まあ、それはそういうこと。100m先で吸っている臭いにも嫌悪感がある、というくらい。
 ただ、この所、歩行喫煙が目立つ。そして危ない。まあ、それはそういうだけなのだが、ちょっと変な印象もある。
 彼らが離人的に見えることだ。公園の喫煙所なのでじっとタバコを吸っている若い女性もよく見かける(私は目が悪いのにそういうのを目敏く見つけるというか、孤独のオーラみたいのに敏感)が、そこにも離人的ななにかがある。
 およそ、喫煙の行為など他者から見れば離人的なものだというのもわかるが、どうも、それとも違う。孤独と身体の麻痺となにかしら、奇っ怪な存在がずるっと剥けて見えるようで、怖い感じがする。科学教室の人体君みたいな。
 そういえば、本屋ででかい声で携帯電話をしている人も多い。電車でも増えているようだ。あの奇妙な外界への無関心さというも、ぞっとするものがある。
 こう言うと、そういう人たちを侮蔑するように取られるかもしれないので、避けるべきかとも思うが、まあ、ちょっこしいうと、人間のマインドと身体の何かのコントロールが壊れている一種の病なのではないか。
 まあ、総心病みたいな私が言うのもなんだが。
 ああ、良い天気だな。やらなくてはいけないことも山積だが、一泳ぎしてから散策するか。そういえば住吉様のお祭りだな。