毎日社説 イラク国際会議 対話の芽を大事にしよう

米国とイラン、シリアも招待されている。いがみ合う3国が同席する会議は、イラクのみならず中東全体の緊張緩和に向けた動きとして歓迎できる。流血の地にも、そろそろさわやかな春風がほしい。

 一読苦笑してしまうのだが、イランとシリアと米国が対話すればなんとかなるという例の枠組みはすでに呪縛化している。もちろん、対話は必要だが、春風的な対話ではありえないだろう。
 この問題はスニニ側の国家、特にサウジの米国依存が関連している。サウジとイランの、つまりはイスラエルの問題でもある。なにも話を広げろというわけではない。サウジの矛盾の上に成立している世界構造を米国だけ責め立ててもしかたない話ではある。