その後なぜか話題がチョムスキー言語学に流れ込んでいるようだが
⇒池田信夫 blog 賃金格差の拡大が必要だ
いやはや。
この分野は私もある程度わかるので、何も言及しませんよ。とか言いつつ、ただ数理言語学のチョムスキーと言語学のチョムスキーは時代的にも切り分けられるし、前者はごく普通の数学。後者についてはさすがに現在では主流ではなくなったっぽいけど、それが不毛であったかどうかはよくわからない。UGとかsemanticsのことがよくわかってなげ人多い略。あとモジュールと脳の関係をべたに考えてしまう人も大杉。
チョムスキーについてはいろんなことをいろんな人がいうけれど、まあ、これを嫁。というか哲学畑の人には特にお勧め。つうか哲学史がよくわかる。ま、哲学史プロパーな人には突っ込み所満載でもあるのだろうけど。
これ⇒「 デカルト派言語学―合理主義思想の歴史の一章: 本: ノーム チョムスキー,Noam Chomsky,川本 茂雄」
余談だが、川本先生はなかなか温厚かつ柔軟な思考のできる人で、言語学を少しでも囓った人ならふててしまうような吉本隆明の「言語にとって美とはなにか」ついても、ま、好意的に読んであげてもええんでえのと優しく宣っていた。いい人だなと思った。
ついでに。
オリジナルは⇒「 Cartesian Linguistics (Stud. in Lang. S): 洋書: Noam Chomsky」
で、デカルト派と訳されているのは、Cartesian 。あれですよ、Cartesian coordinate system とか、Cartesian product 。デカルト派生産? ちがうってばさ。
こういうのもある。
こういうの⇒Cartesian diver - Wikipedia, the free encyclopedia
つまり⇒沈め!浮かべ!不思議な不沈子
で。
Cartesian という言葉なんだけど、これはデカルトの名前が、日本だとRené Descartesということになっているけど、あれです、学者というのはラテン語名を持つのですよ。ほいで、彼だと、Renatus Cartesius というわけで、つまり、名前的には、ド・サド、ド・ゴール、ド・ヴィルパン、ド・ソーシュールなんかに近い、デ・カルトなわけです(ちょっと無理があるが)。つうわけで、Cartesian という言葉が出てくる、と。
今日のワンポイント、哲学余話でした。