難しい問題

 あるAUM信者に対して、「テロをしたくてオウムに入信した人は居なかった」とは概ね言えるだろうと思う。
 ただ、ここで難しい問題がある。あえてプラクティカルに問えば。

  1. 教義の結果が必然的にそうなる理路の可能性がなかったのか。
  2. AUMが操られていた可能性は無かったのか。
  3. 直接的な市民社会への危害としてのAUMと各種の薬物(幻覚剤や毒物)の関係は解明されたのだろうか。

 この難問は、AUM信者なら解けるというものでもないだろうと思う。また、恐らく、その問いがAUM信者に問われるというものでもないだろう。 個人的な印象では、すべての元信者に、林郁夫のようにあれ、とするのも違うように思う。
 1については、大乗の乱や度脱、あるいはもう少し込み入った教義(悪の顕在化)との関連をどう考えるか。というか、この問いは、恐らく仏徒に問われている。
 ⇒大乗の乱 - Wikipedia
 ⇒性と呪殺の密教 : 講談社BOOK倶楽部−本
 2についてはなかなか現状で明確に言えない。この問題は、一義には公安に問われているはずなのだが奇妙な闇があるようにも思える。
 1と2に奇妙の総合にもう一つ奇っ怪な問題もあるにはある。
 3については裁判過程でわかりそうなものだが。
 麻原裁判を通して見えた来たものは、しかし、ほとんど無かった。あるいは何か奇妙な別のストーリーを見させられているようでもあった。
 日本の市民社会はそれなりの手順で麻原を事件の核と置いたが、そうだったのだろうか。