日経 春秋(2/6) : NIKKEI NET:社説・春秋 ニュース

 これはちょっと説明が足りないか、執筆子が誤解している。

展示施設の大規模な改修を終えた台北故宮博物院が今週から一般公開を始める。かつて取材の折、北京の故宮にあった歴代王朝の収集物とともに戦争や革命を逃れて海を渡った古老たちの話を聞いた。民族の魂を守り抜いた労苦とともに、文化財に生命を吹き込む器として美術館という場の重さを改めて感じた。

 「民族の魂を守り抜いた労苦」とか書いてしまうあたりに執筆子の若さ=馬鹿さを感じるというか、あ、これはイカンなと朱註できるスタッフが日経にいないのであろうか。
 故宮の宝物は日本王権の三種の神器のような意味合いがあり、王権の正統の物的保証となる。だから国民党はあれだけこだわった。資産価値よりもその側面が大きい。(北京は桃園にミサイルを撃ち込めない。)
 しかし、この保証的存在は、台湾にあっては、国民党の保証となりそれが生み出した惨事は目も当てられたものではない。土着台湾人にしてみれば、故宮の「民族の魂」ほど忌まわしいものではない。
 民進政権になり、この問題が表面化してきた。そして上記のような背景とは別に昨今の現地主義もあり、これらの宝物は北京に戻せという主張も出てくる。そのあたりを露骨に北京が言わないのは老獪だからだろうか。
 民進政権はそれゆえ、故宮宝物を、アジア史に位置づけるとした。今回の改修により宝物性より博物性が強調され時代的に変遷され、さらに台湾原住民の遺物も併置されるようになった。
 とま、そのあたりをきちんと知る人が日経にいないのはなんだかな。
 とか書くと、おめー馬鹿とか来るのがネットかな。