朝日社説 「産む機械」 少子化対策が心配だ
ある意味、邪悪な名文と言ってもいいな。隙を見せて隙がない。この手の罠には突っ込まないが。
問題は言葉遣いにとどまらない。子どもの数が増えないことを女性だけの問題ととらえているのではないか。女性ががんばれば、子どもは増える。そんな考え方が発言ににじむ。
とかいうなら。
女性たちの思いに耳を傾け、地に足のついた少子化対策を進める。それができないなら、退場してもらうしかない。
そういう締めじゃないはずだろ、くらいは言っておこう。
本当は非モテの現実みたいな現実がある。
語ることというか時代の、論説の文法が、現実に子をなし得る世代の実態を覆い隠しているというか、実態を語らせないように機能している。
先日BBCだったか、35歳のシングル女性の決断という番組があった。まだ見終えていないが、彼女たちの幾人かは子供を産むために人工授精を決断する。母に成らなければ自分の人生は完結しないというもの凄い直のメッセージがあって面食らったが、実は庶民の実生活を支えているのはあのエネルギーだ。
大衆が秘めている本当の力というのは言葉では語られないようにできている。