猫猫先生、鋭いご指摘

 ⇒猫を償うに猫をもってせよ - それは訳せません
 このあたりの問題はきちんと文学論として議論されてよさそうにも思う。
 この手の分野に詳しそうなnoon75さんとかだが、セックスは体力とか、脇の下嘗めたいとか、けっこう西洋的。吉行淳之介曰く、日本には情交あって性交なし、ではある。
 余談だが、うちなーぐちで、「なさけ」はセックスの意味がありそうだった。たぶん本土からの影響なのだろうがどの年代の言葉なのかよくわからない。江戸、浄瑠璃あたりだろうと思うが。
 と字引を引くと、広辞苑はダメっぽいが大辞林は書いてあった。

なさけ【情け】[1][3]
(1)他人に対する心づかい。哀れみや思いやりの感情。「人の―にすがる」「人の―が身にしみる」
(2)男女の愛情。恋愛の情。恋心。「深―」「姫君様の―程我身の罪は重うなる/浄瑠璃・反魂香」
(3)男女の情事。色事。「―を商売になさるる吾妻様/浄瑠璃・寿の門松」
(4)人としての感情。「人、木石にあらざれば、皆―あり/源氏{蜻蛉}」
(5)風流の心。趣味を解する心。「―ある人にて、瓶(カメ)に花をさせり/伊勢{一〇一}」
(6)風情(フゼイ)。おもむき。情緒。「たれこめて春のゆくへ知らぬも、なほあはれに―深し/徒然{一三七}」
(7)義理。「―の兄の継信が行方を尋ね出るにぞ/浄瑠璃・門出八島」

 網野の指摘だったが、性交の技術というのは朝廷の技術でもあった。そしてそれは権力にも関連していた。
 まあ、そのあたりの包括的な問題がやはり見えないなと思う。