Web デザイナーが知っておく必要もない DTP 膿

 よく聞く意見として、Web デザイナーは DTP 的感覚を持つべきだ。といったものがありますが、僕はそうは言えるかどうか関心も知識もありません。もちろん 年寄り用とか会議文書とかだと Web は紙媒体と同じ。プリント用にCSSを書かないといけない、めんどくさい部分もありますが、それらは勉強するよりは、むしろWeb デザイナーに勉強しれー、うりゃー! とか圧力を深めていくべき点なのかもしれません。

HTML は文書に意味付けを行う言語じゃない

そもそも HTML とはなんぞや。という質問に『roffより低級なフォーマッタ』という回答をすることがあります。例えばその文書の中で一番大きい見出しには h1 を。その一番大きい見出しの次に大きい見出しには h2 を。という風に単なるテキストにフォーマット行うことでその部分が文書内でどういう意味をもっているのかは読者が勝手に察してくれよん。文書の意味づけなんかできません。XHTML2.0で改善されそうですが、ヘディングは従属する段落のスコープすら持ちません。まして文書構造なんかさんぱりわかりません。っていうか、HTMLで文書の意味づけとかいうならXMLで書いてXSLを別に用意すべきだけどやらないでしょ、フツー。

出版の世界でもやっぱり風味付け

実は『文書に風味付けする』というのは出版の世界でもあることで、試しにその辺りにある文芸を開いてみるとそれを感じることができるかもしれません。例えば、節のタイトルはこの文書の中で一番大きい見出し、つまり HTML で言う h1 要素にあたるとか。でも、その節の概要はタイトルの下に書かれていても、意味論的な規定なんかまるでありませんし、RDFなんか採用するわけないじゃないですか。オントロギーとか戯けた話はやめてくれ。
 
銭になる書籍は、著者が書いた原稿に編集者が意味解析を行い、テッテ的に書き換えて、営業の念書を受け取ってから、 publish されます。
 
これらを Web に照らし合わせてみると、そうするかどうかは優秀な編集者次第ですし、ようするにカネくれ。
 
余談ですが、文章を作成する現場というのはかいじゅうたちのいるところみたいなもんで、あまり覗くとろくなことがありません。でも、どうしようもないなら、クッキーとかチョコレートとか甘物を作業員に二個ずつ行き渡るようにお土産を持って行けよ、おら。

かいじゅうたちのいるところ
かいじゅうたちのいるところ: モーリス・センダック,じんぐう てるお,神宮 輝夫,Maurice Sendak