晩秋、歳を思ふ

 俺は孤独に強いぞとか息巻いているのたのだがそうでもなさげ。
 俺は偽悪を絵に描いたような人間とか自省しているのだが、ぽろっとべたな善人になることが最近あって、これって、老人の性向じゃないのとか思う。
 っていうか、年寄りっていうのは、あれだ、意地悪になるか、優しくなるか、分かれてしまうなにか分かれ道があるのか。俺は救われないヤツだよと諦めていたが、善人なおもての善人のほうに入っちまうのかな(南無さんの善人ぶりもそういうものかもな)。とか、ちと思った晩秋の日であった。
 まあ、弱い人間は善人にはなれない。強い人間は悪をなしうる。ただ、悪人もまた弱い人間である。というか、この問題は難しい。ただ、歳を取る、老いるということがこうした問題の隠れたパラメーター臭い感じが実感としてきた。