そういえばなんとなく同情的になった

 郵政民営化について、日本のカネがアメリカにだまし取られるぅぅという一派が根強くあって、なんなんでしょ、と思っていたのだが、昨日、きっことかの話を見ていて、なんとく同情的になった部分もある。
 郵貯銀行とかが民営化で新勘定になるとそこに貯まっていたカネは、事実上、米国の指導下で融資されるのでしょ。日本にはそのノウハウがないのだから。とま、そのくらいに思っていたし、そんなの別にどってことないでしょ。日本の株式市場だって外人の市場になっているのだし、と。
 で、呑気に思っているのは、カネがだまし取られるわけではないなと高をくくっていたわけですが。
 郵政民営化しなければ、あのカネ、未来永劫日本国が実際上はなんとでもできたわけですよ。貧しい人とかすごい地方の人とかにばらまいて都市民が痛みを感じることで格差はなくなって国家はでかくなって……いいことじゃん(と)。
 なのに、そのカネが国民の元に、あんたの責任でなんとかしなさいよ、と突っ返されたわけですね……ひどいじゃん(と)。
 実際、国民は旧勘定とか新勘定とか理解しないから、ずるっと預けるのでは(このあたり私に誤解があるかも)。で、そうなると、郵貯銀行というのは民営だから、最後はケツを割るというリスクがあるわけで、どっちにしたって国民は泣く。だって、アメリカは滅亡するんだよ、一国支配の時代は終わったんだよ、ドルは暴落するんだよ、と。まあ、そう思う人がいるわけですね。なるほどね。
 国民なんてB層の馬鹿なんだから、国家がそのカネをきちんと使ってあげなくてはいけなけない。老後も面倒みてあげるから、財布よこしなさい、と。優しい国家ってやつですね。
 まあ、でも、現在の日本の現実は、こんな感じ。
 こんな⇒finalventの日記 - 毎日社説 所得収支と高齢化 投資立国に合ったインフラを
 つうわけで、実は、日本はもうカネ貸し側の国で生きている。
 でも、そんなのはやめて、立派な官吏や検察の正義やきっこ様のような慧眼な指導者のもとで汗水鼻水垂らして労働して、もっと貧しくなって貧しさに耐えて、人間同士が連帯して心が豊かになろう、と。悪い政治家がいたら言論のテポドンや悪を暴いて浄化しよう、と。
 ま、皮肉で書いているみたいだけど、マジ、そう思っている人もいるのだろうなとちょっと同情的になった十月の冷たい雨の日であった。来ぬ人を待ちつつ。Love&Peace