そう簡単にはいかないタイプの悩み……

 人が信じられないとか裏切られるとか、そういう悩みというのは、かなりつらい。
 裏切られたのが現実だとして、それでも、その人への愛情とか残っている惨めさとか、これはかなりつらい。
 ある男がこの子は自分の子だろうかと疑うような悩み、あるいはこの親は私の親だろうかといった悩み。これも現実の蓋然性と見ることもできないではないけど、なんというか、オイディプスの悲劇というか、確実に知ることが悲劇になっても知りたいという悩みはある。
 こういうのは、ひどい言いかただけど、ただの悲劇なんでしょう。
 自分の生き方が現実を決める(この現実を自分の人生として引き受けることで現実とする)という場合は、「現実を受け入れましょ」とはいかないというか矛盾。
 悲劇的なことというのがあるという現実ですね。そういう悲劇的な悩みみたいのは解決できません。
 逃げがたい悲劇というのに直面してしまうというのがある。
 うーむ、すみませんとか言ってしまいそ。
 ついでにいうと、「悪」「悪しき者」というものに人は打ち勝つことはできなのではないかと私は考えます。そうしたものから免れて生きていられたらラッキーだったなくらいなのが人生なのでしょう。